コーキングの正しいうち方
サイディングの目地のコーキング・シーリングは2面接着が基本です。
○の図のように左右の両面の2面のみ接着するように打たなければいけません。(打ち方は後ほど説明します)
×の図のように左右と奥行きの3面を接着すると家の揺れ・動きに付いていくことが出来ずに切れてしまいます。コーキングを普通に打ってしまうとこのような3面接着となってしまいます。
3面接着しないように通常は、絶縁テープ(ボンドブレーカー)で奥行き面との接着を防いでいます。目地の深い場合はやバックアップ材が使用され、奥行きの面と接着しないように2面接着が確保される構造になっています。
コーキングを打ちかえる場合、この様にカッターを入れ古いコーキングを引っ張り出していきます。
もちろん古いコーキングは出来るだけ残らない方が良いので丁寧に時間と手間を掛けて撤去していきます。
古いコーキングを撤去している際に下地の絶縁テープ(ボンドブレーカー)やバックアップ材が一緒に取れてしまうことがあります。この補修をするのか?しないのか? が工事業者の大きな違いです。
養生が終わったらコーキングプライマーを塗布します。ここは非常に重要なポイントです。なぜならコーキングプライマーの有無はコーキングの接着力に大きく左右するからです。この非常に重要な作業さえも悪質な業者は省いてしまいます。コーキングプライマーを塗布したら同日中にコーキングを打ちます。そうしなければ接着力も半減してしまいます。
コーキングの後に塗装をする場合は『ポリウレタン系シーリング』、塗装をしない場合は『変性シリコンシーリング』を選んで下さい。塗料と相性の悪いシーリングを選ぶと接着不良を起こす場合があります。シーリングには『低モジュラス・高いモジュラス』の物があります。低モジュラスの方がサイディング外壁には合っています。そしてもちろん『ノンブリードタイプ』を選びましょう。塗り替え数年後、目地のところが黒く汚れてしまうのはコーキングに含まれる可塑剤によるものです。ノンブリードタイプならそんな心配もいりません。
ヘラで均一に均します。コーキングは乾燥すると水分が失われ収縮します。ですのであまり強くヘラを当ててコーキングを取り除いてしまうと目減りし過ぎてしまいます。
新築の場合は見栄え重視ですので余分なコーキングは出来るだけ取り除いてしまいますが、改修・塗り替えの場合は、この上に塗装・塗装膜が塗られます。性能重視であまりコーキングを取り過ぎないようにするところがポイントです。